10人に1人の合格者と言われる社労士試験の合格を経て、晴れて「社労士」や「労務士」とも呼ばれる社会保険労務士として独立を果たそうという方に、ホームページは重要な営業ツールとなるでしょう。
企業内の社労士と違い、独立開業の社労士であれば、新規顧客開拓のための営業活動を積極的に行う必要があります。
小さな面積の名刺やダイレクトメールはがき以上の情報量を掲載することが出来、印刷物と違って内容を随時更新変更していけるホームページは、活用すればするほど、あなたの営業活動の追い風となってくれるでしょう。
しかし、とあるコンサルタントの話によると、せっかく難関資格を取り独立を果たして社労士事務所を開業したにもかかわらず、年収が半減し、貯金を切り崩したりアルバイトで生計を立てているというケースが珍しくないというのです。
いったいどうすれば、そのようなことにならずにすむのでしょう?
これから作る社労士事務所のホームページには、是非しっかり作りこんでいただきたい3つのコンテンツがあるのです。
トップページの業務内容から詳しい業務内容ページへ。
社労士事務所のホームページに業務内容のページは当然欠かせません。
このページが無ければ、意味が無いといってもいいでしょう。
しっかりと作りこむことを意識していただきたいコンテンツです。
簡素なテキストで「労働保険・社会保険手続き」「人事労務管理」など並べるだけでよいと思っていませんか?
ホームページへ訪れた人は労務に詳しくないかもしれません。
いえ、むしろ労務には疎いからこそインターネット検索をしているといってもいいでしょう。
なにか困ったことが発生して、検索してきているのかもしれません。
そのような訪問者が「労働保険・社会保険手続き」「人事労務管理」と目にして、任せたいと考えている業務かどうかが一致するでしょうか?
実は、士業サイトを訪れた人の半数以上が、トップページ以外のページをみることなく立ち去っているというデータもあるのです。
つまり、トップページで依頼したい業務内容が目につかないため、詳しくそのほかのページを見ることなくインターネット検索へ戻り、他のわかりやすく業務をイメージさせてくれるホームページを探しにいってしまっているということが考えられるのです。
トップページであなたの手がけたい業務や理念を打ち出すことも大切ではありますが、合わせて業務内容で「何が出来るのか」が分かるようにしなければなりません。
例えば、就業規則の作成を得意としていて、あなたが従業員満足度向上のサポートをしたいという理念があるのなら、それを大きく打ち出した上で、リンクのテキストなどに「退職金規定の見直し」や「セクハラ・パワハラ防止規程」など訪問者が探しているだろう文言を具体的に使用したり、イラストや写真を使用して訪問者の目が留まりやすくなる工夫が必要です。
そして、そこから業務内容のページを見てもらい、詳しい内容をしっかり伝えられるようにしましょう。
顧問報酬や相談でいくらかかるのかなど親切な料金一覧にしよう。
社労士の業務に詳しく無いホームページの訪問者は、どんな業務をあなたにお願いできるのか分からない場合もありますし、逆に任せたい業務がはっきりしている人がホームページを訪れている場合もあるでしょう。
どちらの場合にも対応できるよう、どのような業務にいくらかかるのかを明示しましょう。
顧問報酬であれば、相談だけでなく手続きは含むのかどうか、業務内容の主なものはどんなものがあるのか、人数規模がどのくらいでいくらなのか、給与・賞与計算の代行、就業規則の作成や助成金の申請など、ひとつひとつあなたの行う業務を分かりやすく書き出した上で金額を併記すると他のページを見直す手間が無く親切です。
料金一覧ページは、社労士としてのあなたが何が出来るか、何で報酬を得るかの一覧です。
業務内容ページとも同様ですが、「各種手続き」や「人事労務相談など」とせず、しっかりとあなたの業務を事細かに棚卸しすることが大切です。
法改正情報や時事ニュースなど新着情報の更新をマメにしよう。
社労士として、常に社会情勢や法改正などには注目をされていることでしょう。
注目するだけでは、誰もあなたがそうしているということを知ることが出来ません。
ホームページに新着情報/ニュースとして発信し、あなたが最新情報をきちんと追っていることを証明しましょう。
「働き方改革」「障がい者の法廷雇用率」「社会保障制度改革」などなど、厚生労働省の発信している内容を、あなたの依頼者へ向けて分かりやすく伝えるものであれば大丈夫です。
あなたの依頼者からのお問い合わせを一般化したものをテーマに書いてもよいでしょう。
慣れてくるとブログで日記を書くような感覚で行えます。
記事を書き溜めることで、それらはコンテンツとしてあなたの財産となっていきます。
他のSNSなどと連携して宣伝広告として活用することも、やり方によっては可能ですので営業ツールとして活用しない手はありませんね。
まとめ:業務と料金を分かりやすく伝え、営業ツールとして活用しよう。
「まずはご相談ください。」という一言で営業がうまくいけば、誰もが成功しています。
今やインターネット検索が普及し、法律の知識だけであればいくらでも無料で調べられる時代なのです。
専門知識があるのは当たり前ですが、それを知るだけで解決しない問題や解決するに不便な問題を、あなたはスムーズに解決へ運ぶ力があるということをホームページで示すのです。
サラリーマンと違って定年の無い社労士という職業ですが、毎年、資格の合格者が数千人単位で増え続けています。ということは、同じ市場で同業者がクライアントを奪い合うということになっていくのです。
他の同業者と同じようにパンフレットのような体裁の整ったホームページを作って放置していては、決して良い結果に結びつきません。
ホームページは営業ツールなのです。活用していかなければ意味がありません。
制作会社でホームページを作る場合は、しっかりと打ち出す戦略について話し合える「相談しやすい制作会社」を選び、「無理のない運用」方法が可能かどうかを話し合いましょう。