オフィス作りのピンポイントアドバイス

情報漏えい防止!オフィス開設時に備えておきたいセキュリティ

近年では、どのような業種であっても、OA化によって、文書作成や売り上げの計算など様々な分野でオフィスで電子データを取り扱う機会が多くなっています。

電子データを利用することは、業務の効率化に多大な貢献をする一方、情報漏えいなどによるリスクも存在します。いったん情報を漏えいすると、その情報を取り戻すことは不可能ですし、顧客や取引先への賠償などで多大なコストを必要とします。また、情報セキュリティ対策を後付けで実施すると余計な費用が発生するため、オフィス開設に合わせて最初から備えておくことが望まれます。

オフィスに必要なネットワーク環境は?

オフィス開設に当たっては、最初にオフィスに必要なネットワーク環境を明らかにしておくことが大切です。小さなオフィスであればワンフロアで数名のスタッフによって運営されますし、大きなオフィスになれば複数の部屋に分かれて数百人が業務を実施することもあります。

しかし、オフィスが大きくても小さくても、必要とされるネットワーク環境に大きな違いはありません。基本的には、オフィスの各スタッフが業務で使用する端末と、データの保管などを行うデータサーバ、それにメールやインタネットに接続するための通信用のサーバが必要となります。

これらの器材はLANで接続されることになりますが、そのオフィスで働くスタッフによってアクセスできる情報に制限がある場合には、端末やサーバーへのアクセス制限を設ける必要がありますし、オフィス外部に情報が漏えいするリスクを低減するためには、スタッフごとに入ることができる区域を区分し、そのような管理された区域内でアクセスできる情報を決めておくといったシステム構築をオフィス開設に伴うネットワーク環境の整備とともに実施しておく必要があります。

LANによる各端末やサーバー類に接続においては、有線LANではオフィス開設時に配線しておく必要があり、コストが必要になりますから、場合によっては無線LANを使用することも考えられます。但し、セキュリティを考慮すると有線LANが遥かに信頼性が高いため、多少のコスト増加を見込んでも有線LANを採用することが望まれます。なお、有線LANであっても盗聴のリスクはゼロではないため、オフィス開設におけるネットワーク環境の整備の中では、LAN通信の暗号化も必要です。

また、外部との通信、特にインターネットとの接続は情報セキュリティ上特に注意が必要であり、通信用サーバーのみが外部と接続できるようなネットワーク環境にしておくことが望まれます。

情報漏えい防止のために備えておきたいOA機器のセキュリティやウイルス対策

情報漏えいを防止するためには、オフィスで使用するOA機器の情報セキュリティを確実に実行しておくことが大切です。

情報セキュリティの基本は、システム外部に情報が漏えいしない仕組みを作っておくことであり、そのためには意図的であるにしろないにしろ、人間がシステムを操作して情報を漏えいさせないことが第一に必要です。

従って、オフィス開設に当たってOA機器を導入するためには、許可されたスタッフだけがOA機器を操作できるようにシステムを構築することが望まれます。即ち、IDやパスワード、或いは指紋認証などの機能が付いたOA機器を導入することと、そのIDでどのような情報にアクセスすることができるのかをオフィス開設以前のシステム構築であらかじめ決めておく必要があります。また、オフィス内であっても端末やサーバー間では暗号化通信ができるように、各OA機器は暗号化に対応した機能が必要となります。

ウイルス等の外部から侵入するセキュリティリスクに対しても対策が必要です。端末やサーバーなどのコンピュータ類にはウイルスセキュリティソフトを導入することは基本的な対策であり、それらのソフトが常に最新版に更新されているようにオフィス全体で一括してソフト会社と自動更新契約しておくなどの対策も必要です。

また、外部とのアクセスを通信用サーバーやルーターなどに一元化し、ファイヤーウォールなどの対策を施すことも必須です。また、メールによってウイルスなどの脅威が侵入する恐れもあるため、オフィス開設時のセキュリティ対策の立案においては外部からの直接的なウイルス等の侵入に備えるだけではなく、トロイの木馬型のメールに隠れたウイルス等にも備える必要があります。

また、万が一ウイルスにオフィス内のOA機器が感染した場合の対策として、事前にバックアップを取っておく仕組みも必要です。

まとめ

オフィス開設に当たっては、その場所で複数の人間が業務を実施するため、様々な事項を検討する必要があります。

中でも、作業性や居住性と同等以上に重要なのが情報に対するセキュリティ対策です。オフィス開設時には、オフィスに必要なOA機器とネットワーク環境を前もって計画し、そのような機器或いはネットワーク環境において情報漏えいに備えた対策を立案、実施することが情報セキュリティ上重要になります。

情報に対する対策は後手に回るほどリスクとコストが増大するため、オフィス開設時にしっかりと対策しておく必要があります。

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